Pro Tools Mixer

Pro Tools 2022.12 ソフトウェア・アップデートがリリースされました。このリリースには、macOS Venturaのサポート、新しいスクリプティング SDK のサポート、多数のバグ修正とパフォーマンスの向上などの新機能が含まれていますが、Apple M1 および M2 プロセッサー上で Pro Tools をネイティブで作動できる機能が、パブリック・ベータ版の一部として提供されています。Pro Tools エンジニア・チームは、Appleシリコン・ネイティブの完全サポートを実現するために懸命に取り組んできました。このパブリック・ベータ版では、2023年初頭の完全修正版リリースに向けてチームが取り組んでいる間、ユーザーの皆様に私たちが達成した大きな進歩をご確認いただき、パフォーマンスの向上を実感していただくことができます。それでは、このパブリック・ベータ版について、詳しく見ていきましょう。

 

使用方法

Pro Tools 2022.12 は、2つの独立したモードを含むユニバーサル・バイナリ・アプリケーションです。

  • 1つ目のモードは、現在 Rosetta 2 を介して IntelとApple シリコン・マシンで動作する完全修正版です。このバージョンは、Mac と Windows の両方のユーザー向けの完全な機能とバグ修正を含んでおり、Pro Tools 2022.12にアップデートするとデフォルトで起動するようになります。  
  • 2つ目のモードは、Appleシリコン・マシン上でネイティブに動作するアプリケーションのパブリック・ベータ版です。このバージョンには、上記のRosetta 2バージョンと同じアップデート(Venturaサポート、バグ修正)が含まれていますが、まだすべての機能が利用できるわけではなく、また当社の品質保証チームによる厳密な認定プロセスを経ているわけではありません。


Pro Tools 2022.12 では、デフォルトで Rosetta 2 を使用して起動します。つまり、Pro Tools の新規インストールでは、完全な機能を備え、完全に修正された、Intel バイナリを使用して起動されます。ベータ・モードは、macOS Finder の「Rosetta を使用して開く」チェックボックスをオフにすることで有効になります。このビデオでは、2つのモードを切り替える方法を説明しています。

 


Pro Tools 2022.12 ー Apple シリコン パブリック・ベータ版
(YouTube上の上部タイトルをクリックのうえ、ぜひ拡大してご覧ください!)

 

Avidはなぜ今、Apple シリコン・サポートをパブリック・ベータ版として公開するのでしょうか?

ユーザーが求める性能をお届けするためには、相互に関連する多くの技術を更新し、テストする必要があります。Apple シリコンのネイティブ・サポートが多くのユーザーにとっていかに重要であるか、また、すべてのパーツが同時に揃うわけではないことを考えると、このベータ版は、次のリリースに向けた開発とテストのまとめとして、パフォーマンスの改善を試す機会を提供するものです。Apple シリコン・モードではまだ実装されていない特定の機能を使用したい場合、Rosetta 2で起動することで、 Intel モードですべての機能が利用できます。

 

パブリック・ベータ版で動作しないものは?

  • 現在 Pro Tools にバンドルされている AIR プラグインとインストゥルメント
  • すべてのサードパーティ製プラグインがサポートされているわけではありません—こちらのサポートされるリストを参照ください
  • クラウド・コラボレーションとプロジェクト 
  • ICON、C24、Command 8コントロール・サーフェスはサポートされません
  • X-Form Audio Suite とエラスティック・オーディオのアルゴリズム
  • ReWire のサポート
  • MP3 エクスポート(バウンス、ファイルとしてクリップをエクスポート)
  • 楽譜エディタ
  • コードを抽出
  • すべてのシステム/構成での完全動作保証


これらの問題のほとんどは、今後リリースされる完全修正版で解決されますが、Apple シリコン上で ICON、C24、Command 8コントロール・サーフェスをネイティブで実行できないことにご注意ください。これらのコントロール・サーフェスは、数年前からサポートが終了しており、今ではテストを行なっていませんが、Rosetta 2で実行する場合は、以前と同様に動作するはずです。

このパブリック・ベータ版の詳細については、詳細と既存の問題が記載されている FAQ をご覧ください。また、Avid Link ラウンジ:Pro Tools パブリック・ベータ版 - Apple シリコンを特別に作成しましたので、フィードバックを他のユーザーと共有したり、サポートを受けたりすることができます。ぜひお楽しみください!

 

Apple M2 and M1 logos

 
パブリック・ベータ版リリースについての、ベータ・テスターの方々のご意見です。

「UIの速度と応答性が向上し、オフラインでのバウンスとコミットの時間が短縮されたことは、私にとって大きな収穫です。」
ライアン・カーライン (ミュージシャン/プロデューサー/エンジニア)

 

「オフラインでのバウンスの速さは、革命的です。ゴーカートが月へのロケットになるようなものです。Pro Toolsでの日々のワークフローのほぼすべてが、より効率的になります。」
マイク・グリーンバーグ(リレコーディング・ミキサー/オーディオ・エディター)

 

「GUIのレスポンスとスムーズさ、CPU使用率の低下、レンダリングの高速化、そして全体的な性能の向上。プラグイン・ウインドウを開く速さなど、小さなことでも笑みがこぼれます。みなさんにパブリック・ベータ版を試すことをおすすめします。」
クラウス・クザディレック (サウンド・エディター)

「Pro Toolsは、今やApple シリコン・コンピュータの良さを最大限に引き出しています。Pro Toolsのスピード、応答性、全体的な効率は、完璧にマッチしています。」
サイモン・ナクラ(ミュージシャン/プロデューサー/エンジニア)

Chris Winsor
Chris Winsor
Chris Winsor is a senior principal product designer for Pro Tools who has spent the last 14 years testing and designing solutions, including improvements in I/O Setup, field recorder, the video engine, and Dolby Atmos workflows.