Examples of the new capabilities of music notation in Sibelius, a music notation app for desktop and mobile devices.

サブスコア、ダイナミックギター譜などの新しい改善点により、さらに簡単に作曲を!

2023年の幕開けとなる、Sibeliusの新しいアップデートは、サブスコアとダイナミックギター譜を基盤にしたものになります。2022年には、以下の機能を含める10を超えるアップデートのリリースがあり、多忙な1年となりました。モバイル版での移調とMusicXMLインポート、デスクトップ版での新しいフラットでモダンな外観、多くの楽譜の改善、ヘッダー、フッター、譜表名の新機能、新しい小節線、さらに数百もの細かな修正と改善がリリースされました。詳細については Sibelius最新情報でご覧いただけます。Sibeliusを初めてお使いになる方は、30日間の無料体験版、もしくはWindows、Mac、iOSの無料アプリのSibelius Firstで、これらの新機能をお試しください。こちらをご覧ください。

Sibelius Artist または Sibelius Ultimate を既にお持ちで、有効なサブスクリプションまたは永続版ライセンスのアップデートとサポート・プランをお持ちの方は、Avidマスター・アカウントの My Products ページ、もしくはコンピューター上の Avid Link から直接、新しいアップデートをダウンロードすることができます。iPad または iPhone でSibelius for mobileアプリをご利用の場合は、App Storeが自動的にSibeliusをすでにアップデートしている可能性がありますが、App Store で Sibelius のアップデートの有無をいつでもご確認いただけます。

Sibeliusの以前の永続版ライセンスをお持ちの方は、最新バージョンへのアップグレードが可能です。次年度以降のアップグレードも含まれ、モバイルアプリの機能の解除やオンラインでの音楽共有もご利用いただけます。オプションについては、Sibeliusアップグレードおよび更新ページ をご覧ください。

では、ここからは2023.2の新機能をお楽しみください!

 

サブスコア

サブスコアは、2022年12月にSibeliusに導入され、大規模なスコアを扱う際の新たな可能性を切り開いた機能で、一部の譜表だけに焦点を当てた新しいスコアを作成することができます。MIDIファイルをインポートして、オリジナルのトラックをファイルに残したまま、指揮者のスコアのオーケストレーション作業を行うのに、とても便利です。

皆様からのフィードバックをもとに、この機能をより便利にするための以下の様々な新しい改善が加えられています。

 

独立したレイアウト・マーク

以前のバージョンのSibeliusでは、レイアウト・マーク(大譜表の改行、改ページなど)を追加すると、それぞれのマークがフルスコアと各サブスコアに反映されました。

今回のリリースでは、これらのレイアウト・マークが独立しているため、例えばフルスコアまたはサブスコアのいずれかに改行を追加すると、表示しているスコアにのみ反映されるようになりました。これは、レイアウト・マークがダイナミックパート譜で機能する場合と同様です。

2 Subset 1a
フルスコアでは、3小節目に改行されています。

3 Subset 1b

サブスコアでは、6小節目に最初の改行があり、レイアウトが異なっています。改行の位置がフルスコアと異なるため、オレンジ色で表示されています。サブスコアのレイアウトを自由に設定できるので、フルスコアよりも譜表の数が少ないサブスコアには大変便利です。

Sibeliusのアップデートで私たちが目指しているのは、スコアが以前のバージョンとまったく同じように見えることで、安心してアップグレードしていただけるというルールです。今回のリリースも同様で、2022.12のサブスコア機能で作成したスコアを開くと、既存の音符間隔とレイアウトを保持します。各サブスコアを開いてCtrl+Shift+N(Windows)またはCmd+Shift+N(Mac)と入力すると、音符間隔をリセットできます。レイアウトを解除するには、各サブスコアを開き、コマンド検索で「フォーマットのロック解除」と入力すれば、簡単にリセットできます。

デスクトップでは、フルスコアまたはサブスコアのレイアウトを他のスコア、パート、サブスコアにコピーできる新機能が追加されました。これまでは、任意のパートから別のパートにレイアウトをコピーすることのみが可能でした。改名された「レイアウトをコピー」は、パート > レイアウト > レイアウトをコピー、またはコマンド検索で「レイアウトをコピー」と検索すると見つかります。表示されるダイアログ・ボックスで、レイアウトのコピー・ソースと貼り付け先を選択することができます。  (※ 日本語設定では以前の名称「パートレイアウトをコピー」のままですが、今後のリリースで「レイアウトをコピー」に用語変更予定)

Layout Copy

 

サブスコアでの独立した音符間隔

上記と同様に、音符間隔をフルスコアと各サブスコアで独立させることができるようになりました。以前は、「譜表にフォーカス」のように、フルスコアまたは別のサブスコアの小節の幅と間隔が、すべてのサブスコアの小節間隔に反映されていました。このリリースでは、各サブスコアの間隔が独立しているため、各サブスコアでのレイアウトを完全に制御することができます。次の楽譜例で、独立したレイアウトと独立した音符間隔の両方の動作を見ることができます。最初の画像は、ソプラノ、バイオリン、コンティヌオによるフルスコアです。もう1つは、ソプラノとコンティヌオのみのサブスコアです。バイオリンの連なる32分音符によって、間隔を歪めることはありません。その代わり、歌詞が最も間隔を取る要素になっています。また、レイアウトが解除され、1つのシステムでOdeが表示されるようになりました。

5 Subset 2a

6 Subset 2b

 

サブスコアに関する全般的な改善点

Sibeliusでは、リストやダイアログ・ボックスでサブスコアがパート譜と一緒に表示される箇所がいくつかあります。このリリースでは、これらすべてを確認し、便利な順序(サブスコアが一番上で、パート譜がその後に続く)になるようにしました。以下はその例です。

  1. ファイル > 情報
  2. ファイル > エクスポート > PDF
  3. パート > 抽出
  4. デスクトップ版の次と前のショートカットを使用する際


また、パート譜とサブスコアのリストに空のサブスコアが残るバグを修正し、ここの翻訳をいくつか整理しました。これに加えて、再生中に別のサブスコアに切り替えると、パネルが表示されなくなりました。

 

ダイナミックギター譜

これは、2022年に導入した機能の中で最もエキサイティングなものの一つです。詳しくは、7月のブログをご覧ください。今回の2023.2リリースでは、この機能をさらに強化し、多くの改善を加えています。 

一方の譜表にあるオブジェクトを、もう一方の譜表に影響を与えることなく移動させることができるようになりました。これまでは、スラーやアーティキュレーション、リズム点などを移動したり、ステムを反転させたり、キュー音符の大きさを変えたりすると、ダイナミックにリンクしたギター譜にも同じ変更が反映されていました。しかし今では、これらはすべて独立しています。これらのオブジェクトの位置をリセットするには、「外観」タブまたはコマンド検索から「位置をリセット」を使用することができます。

 

小さいながらも重要な修正が含まれています。

以下の例を含む、ダイナミックギター譜とダイナミックパートの関連性を改善しました。

  • ダイナミックギター譜に音符を入力しても、ギターのダイナミックパートの音符の間隔に問題が生じないようになりました
  • ダイナミック譜の一方を削除すると、もう一方が削除されるという稀に起こる問題が生じないようになりました
  • パート抽出の信頼性が向上しました
  • Option(Mac)またはAlt(Windows)を押しながらクリックして五線譜にコピーした項目が、タブ譜に反映されない問題が生じないようになりました
  • 各譜表にそれぞれ譜表名を追加できるようになり、2つ目のキーパッド・レイアウトから音符の括弧も独立して指定できるようになりました

  •  

    ManuScriptプラグイン言語

    オーディオのエクスポートに関する改善点があります。詳細は、ManuScript PDF ガイド(英語)をご覧ください。使用可能なすべてのビット深度とサンプルレートがリストアップされています(デスクトップの Sibelius で ファイル > プラグイン をクリックすると表示されます)。

    この他、InstrumentChangeオブジェクトの取り扱いが修正されました。

     

    連符の改善点

    最高の音楽を作成できるように、スコアのデフォルトの外観を常に微調整し、改善しています。連符の読みやすさを向上させ、より一貫した外観にするために、以下のように、いくつかの変更を加えました。

    • 連符の自動括弧がデフォルトでオンになりました
    • 「連桁グループをリセット」で「隣接した音符から連音符を分離」がデフォルトでオフになりました

     

    『ボレロ』の有名なオスティナートで実際に行うと、よくわかると思います。

    7 Tuplets

    この変更は、既存のスコアには影響せず、クイックスタートでデフォルトの譜面用紙から作成した新しいスコアにのみ影響することにご注意ください。

     

    その他

    Sibeliusのリリースには、数々の一般的な改善が欠かせません。今回は、以下の改善点があります。

    • Sibelius for mobileでは、iOS 16で動作しないショートカットをいくつか修正しました。Cmd+Wにより、作業内容を保存せずにSibeliusを終了することはなくなり、エクスプレッション・テキスト(強弱記号)を追加するためのCmd+Eが再び機能するようになりました
    • ダイナミックパートでは、(キーパッド2つ目のレイアウトから)音符括弧をフルスコアとは別に切り替えることができます。異名同音などの変更と同様に、フルスコアで行った変更はフルスコアとパートの両方に影響しますが、パートで行った変更はそのパートにしか影響しません
    • ワイルドカードを編集する際に表示される警告ダイアログを修正し、こちらも翻訳を修正しました
    • 日本語のいくつかのダイアログが文字化けすることがなくなりました
    • 2022.12でリリースされたサブスコアに関する機能の日本語訳が修正されました
    • Sibelius for mobileで、レビューモードを開始し、終了した後にパートの違いを確認できるようになりました
    • 2022年12月のリリースで追加した新しい小節線のすべてに翻訳を追加しました
    • Sibelius for mobileに、最新バージョンのScore Notes Expressテンプレートに含まれるTinosフォントとArimoフォントを搭載されました
    • 楽器を追加/削除ダイアログボックスで、譜表がリンクしている楽器を上下に移動させると強制終了することがありましたが、これを修正しました
    • コマンド検索は、コンマ(,)で呼び出すとすぐに検索結果が表示されるため、さらに速くなりました。最後に実行したコマンドがあらかじめ入力されているので、コンマ(,)を入力してからリターンを押すだけで、リストの最初の検索結果が実行されます(今回のリリースでは英語設定でのみ対応)。また、コマンド検索中にEscapeキーを押しても、スコアの選択がクリアされなくなりました

    このリリースでの改善点を楽しんでいただければ幸いです。
    私たちはすでに次のリリースに取り組んでいます。お楽しみにしていてください!

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